2017年8月21日月曜日

第60回全肢P連 東京大会【2日目】

2日目。
午前中は東京ドームホテル内の6ヶ所の会場に分かれて、分科会が行われました。

開始まで少し時間があるので、ロビーの展示ブースを見て回ります。福祉機器や様々な便利グッズ、書籍の案内などがなされていました。
実際に支援アプリが入ったiPad📱を触らせてもらったり、試供品をいただいたりしました。
待ち時間を利用して各ブースを回る参加者

さて!
実は私、役員をするまで「分科会って一体何をするの?」状態でしたので、ここで簡単にご説明しましょう🎤

今大会の研究テーマは、
つなぐ、つなげる、つながる ―― 子どもたちをとりまくネットワーク
で、更に分科会ごとに細かいテーマが設けられています。

  1. そのテーマに沿って「提案発表校」が学校での取組みを20分の持ち時間で発表します。
  2. 発表が終わったら、5~6人のグループに分かれて、今聞いた発表の内容について話し合う「ワークショップ」が行われます。
  3. そこで話し合われた内容をその場でまとめて、2グループほどが「まとめの発表」を行います。
  4. 指導助言者による助言とまとめが行われます。

・・・どうですか?
ちょっとだけ分かってもらえたでしょうか?
やり方はいろいろあるので、どの大会でもこの方法でするという訳ではないのですが、大体の流れはこんな感じになります。

私はこの中で、第6分科会の「機器」に参加させてもらいました。

⭐第6分科会「機器」・・・子どもたちの可能性を広げ、生活を豊かにするコミュニケーション支援をどのように深めていくか

「機器」の提案発表校は、大阪府立茨木支援学校さんです。
PTA活動の取り組みで、年に1回、学校の体育館を利用しての「福祉機器展」を行っているというものでした。

第6分科会のようす
毎年、大阪で大規模なバリアフリー展の開催はあるけれど、
  • 来場者が多く、駐車場も混んでいる🚗
  • 会場が広くてブースもたくさんあるので、全部回ることはできない💦
  • 障害児に特化する展示も少ない😯
  • 子どもを連れて見学するのは大変で、ほとんど見ることができず帰宅する😵
などの理由から、「学校でバリアフリー展ができないか?」と考えたのがきっかけだそうです。
車椅子の試乗や、補装具などの情報提供を受けたり、スイッチ関係(iPad関係機器)、VOCA、クッションやマットなどゆっくり時間をかけて試したり、セラピストさんにじっくり相談できたりするなど、参加保護者の満足度はかなり高いとのことでした。

中でも一番会場のみなさんが驚いていたのは、「楽スタ」(Spider system・正式名:ユニバーサルフレーム)の導入でした。
楽し~い♪思わず笑顔になる子ども
胸ベルト、股ベルト、伸縮ロープ等で体をしっかりとホールドして身体を預けることで、普段使うことのできない筋肉を使うことができたり、体の使い方を学習したり、頭部や体幹、足の幅広い運動性を引き出すことができるというものです。

大阪府下ではかなり普及しているということでしたが、参加者のほとんどが「知らない」と答えたこの装置は、その後のワークショップでもかなり話題に上っていました👀

質疑応答の時にも自ずとこの話題になったのですが、やはり導入するにあたっては、費用の問題だったり、使用するロープが1人1人違うものを揃えないといけなかったり、安全面のため指導に当たられる先生も研修が必要だったりと、なかなか大変な印象を受けました。

でもうまく運用すれば、たくさんの子どもたちが重力から解放されて「立つ」ことの喜びを味わえる、魅力的な機器だなあ!と思いました。

指導助言をいただいた杉浦先生は、自作の「おもしろ機器」をプロジェクターで写し、流れるような話術で会場を笑いの渦に巻き込みながら、

 支援機器活用の3つのポイント
  • その子が変わる(自己選択/自己決定)
  • 他者が変わる(役割があること)
  • 社会が変わる(共生を当たり前に)
を話して下さいました。

本当に興味深い事例報告に触れることができ、大変有意義な時間でした🕙


お昼休憩をはさんで会場を移動し、元の文京シビックホールへ。

ここでは記念講演、大会記念挨拶(いずれもテレビにもよく出演される有名な方で、さすが東京🗼だ~!と思いました。ここでお名前や内容を出していいか分からないので、控えさせていただきますm(__)m)に引き続き、閉会式が行われました。
閉会式のようす
60回目の記念大会。
それは、特別支援教育とPTA活動とが、それだけの長い年月をかけて受け継がれてきたことを示します。
戦後の混乱期の中、私たちの子どものように支援を必要とする子どもたち、そしてその親たちが大変なご苦労をされたことは想像に難くありません。

今の特別支援教育や社会福祉を受けられるのも、先人のご苦労と努力と声があったからこそだと、閉会式の中でのお話で改めて感じました。

つなぐ・つなげる・つながる

私たちは、PTA活動を通じていろんな人と「つながる」ことができ、一人なら小さな声だけれど、そうすることで大きな声になり、子どもたちと社会とを「つなげる」ことができる。そしてそれらを次の世代に「つなぐ」一つの通過点を生きているのかもしれないですね。

うまくまとめたつもりですが、ちょっと無理がありますかね😅
このキーワードで、みなさんなら何を思いますか?


あっと言う間に全ての日程が終わりました。
ブログでは体験したことのほんの一部しか紹介できませんが、何となく様子は伝わったかな?と思います。

貴重な体験ができた2日間でした。