第1日目、午前は新しい校舎を見学。児童生徒の活動スペースは全て1階で、どこも光と風が通るように設計されており、新鮮な空気の流れを感じられる教室、廊下に驚くばかり。特に良かったのは、トイレ。教室からドア一つでつながっており、おむつ替えもスムーズ。チェアに座ってトイレトレーニングもしやすく出来ていました。先生的には、トイレ待ちがなくなった事が良かったそうです。子供にも先生にも優しい作りになっていました。設計の段階から何度も現場の先生が話し合いの場に入り、アイデアや意見を出されたそうです。とても納得しました。
午後からは、小・中・高に分かれての分科会。テーマは「家庭での防災について」。 ー被災の現実、隣人の備えに学ぼうー
① 避難する際の不安 → その解決法
② 避難所生活での不安 → その解決法
この二つのテーマについて、5・6人のチームで意見を出し合いました。
どこの学校も不安に感じていることは共通していて、正直明確な解決法は出ませんでした。
その中で、アドバイザーである香川大学法学部の先生方、防災士の方からは、
●不安というのは具体的に解決する種になる。やみくもに不安がるだけでなく、具体的に準備しましょう。
●災害はある意味だれでも平等。だれしも不自由な状況に追いやられる。今 何が出来るか、何なら出来るか、考えましょう。
●まず地域の災害の特性を知る。次に問題点を考える。そして、それぞれが配慮がいることを自分から声を上げ、地域に知ってもらいましょう。
この3点のアドバイスを頂きました。
第2日目はサンポート高松に移動して、講演会に参加しました。演題は「子ども達がiPadを装備すれば、冒険に出られる!」ー魔法のプロジェクトの実践からー
講師は東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野 教授:中邑 賢龍氏と、香川県立養護学校の3人の先生方でした。
2日目の研修の中で1番私が興奮したのが先生方のお話でした。とにかく障害がある人にも家族にとってもうれしい、心が軽くなる話が盛りだくさん。
高松養護学校の先生の発表では、クリーンルームに入院している小学生の女の子と先生がiPadのテレビ電話のやりとりで、図書館まで本を借りに行くというもの。先生はまさにお父さんスイッチになり(皆さんご存じでしょうか?)テレビ電話の画面を頼りに図書館まで移動させて、本も表紙などから気になる本を指示して、手に取ってもらい、中も開いて見せてもらって、好きな本を借りる、という取り組みの発表でした。
先生が要望を聞いて借りてくるというやり方でも済みますが図書館までの道のりで新しい発見があったり、違ったジャンルの本と出会えたり、子供発信・子供主体になるようにテクノロジーを使っていく先生方の取り組みは目からウロコでした。発表の最後に「子ども達には自分のことは自分でやりなさいではなく、自分の役割仕事を進めなさい」と声をかけます、と話されたのが印象的でした。
中邑教授からは、眼科では視力といったら矯正視力が常識で、子供にもIOTの力を借りて、裸能力から矯正視力の時代にしていきましょう。特別支援教育のこうあるべき、こうでなくてはならないしきたりをとっぱらって、本当の意味での個々に必要な支援教育を受けられる場を作っていこう。というご提案がありました。
とても力強い言葉に勇気づけられました。進学の受験などの時に、最近では当たり前になってきた障害に応じた合理的配慮も、教授の取り組みの成果と知りました。全力で日本の真ん中で、教育の中枢機関とも闘って下さっている方が目の前にいることになんだか胸が熱くなりした。
私の感動を上手く皆さんにお伝えする事が難しくもどかしいので、ぜひぜひ「ATACカンファレンス」「魔法のプロジェクト」を検索してみて下さい。
自分の子供に合ったわくわくがきっと見つけられると思います。
最後に、2日間の胸の熱くなるような研修を受けるチャンスをいただきありがとうございました。