2019年11月20日水曜日

中国・四国地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会 研修会 広島大会参加!

10月31日、11月1日の2日間広島市で中国・四国地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会 研修会が開催され会長と副会長の2人が参加しました。



1日目は広島県立広島特別支援学校にて学校見学、開会行事、分科会が行われ、夜には情報交換会がありました。



学校見学ではまず広い廊下と、2階と1階を結ぶスロープに目を奪われ、災害時の避難にもとても有効だなと羨ましく思いました。敷地が広いため何もかもが広々としていて、知肢合同の学校ならではの施設もありました。




しげのぶには無い食堂やスヌーズレン専用の部屋、地域支援室もありました。 




「肢知コラボ」で肢体の生徒が、種まきから発芽までを担当し、知的の生徒が苗を校内の畑に植えて栽培し、収穫した野菜を文化祭などで販売しているそうです。




また、校舎の一角には、台湾の姉妹校の生徒が描いた作品が飾られていました。海外に住む同じ障がいをもつ子どもたち同士が、作品を通じて交流できることに感銘を受けました。



午後からは、「福祉」「支援機器」「防災」の3つのテーマに分かれて分科会が行われました。

「福祉」では参加者が「実際利用しているサービス」「悩みや困っていること」「知りたいこと」などをそれぞれ付箋に記入して項目ごとに貼っていきながら話し合いました。


 
全体的にショートステイ受け入れ先が少なく特に医療的ケアのある子は利用できるところが限られているという意見が多かったです。みんなの話を聞いて、福祉サービスには地域差があるものの主に世話をしている母親などが病気や入院時に安心して任せられるところが確保できておらず不安だという声に全員が共感し基本的な悩みは同じだと感じました。アドバイザーの相談員さんからの、何かあった時や将来を見据えて早めに色々なサービスにお互いが慣れておくことが重要、人に任せる勇気を持ちましょうという話が心に刺さりました。

また、「防災」では、「家庭での取り組み」「地域での取り組み」「不安に思うこと」のそれぞれについて話し合いました。参加者のそれぞれの意見をまとめて、①薬など固有のものは余裕を持って多めに備えておくこと ②バッテリーや発電機などは、維持管理するのに手間がかかるので、ハイブリッド車など代替えのできる簡易なものを利用する③行政に知ってもらうことが大切である。ということをアドバイザーの方が指導助言してくださいました。特に3つ目に関しては、行政は、障がいを持つ子どもやその家族については何も知らないので、実際に避難してみて現状がどうなのか知ってもらうことから始めないといけない。相談支援員などに、災害時における不安を投げかけてみる。地域の中で協力が得られるように施設や民生委員などへ情報提供してもらうとよいと言われていました。何よりもまずは、「(私たち)保護者が心を開くことから」というキーワードが提示されました。

情報交換会では、ダウン症など知的障がいをもつ8人のメンバーで結成したアンサンブルユニット♪ポップザウルス♪の演奏を聴いたり、次回開催校の徳島県立ひのみね支援学校のおもしろ可愛いプレゼンテーションを見たりしながら、他校の保護者さん達と子ども、学校、家庭の話が尽きない楽しい時間となりました😊🎶



2日目は、「生涯を通じての療育とは」という演題で広島県立障害者リハビリテーションセンター副所長、(兼)若草園診療部整形外科医長の志村司先生による講演を聞きました。

~要約~

脳性麻痺=運動障害のある子どもに対して、一貫して訓練、リハビリが必要だという認識を親である私たちは持っているが、子どもの成長の段階に合わせて、訓練すべき内容が変わってくる。小学部のうちは、新しい社会の中で成長させていくためにたくさんのことを経験させていくことが大切。いろいろな姿勢を取らせて、何ができるかを探す時期。中学部になると、運動発達を維持しながら、精神発達を促進したり、社会性を身に付けていく時期。高等部においては、運動面、精神面の発達は維持しながらも、卒業後、社会に出た後に今までやってきたことが使えるのかどうなのか見極めていく時期。



大人になってからは「維持訓練」を継続していく。「介護訓練」を早いうちから始める。子どもが高齢になってから施設や他人に介護をしてもらうのでは、子どもも大変。親が早くから子離れをして、サービスなどを利用して預けるようにしている方が、子どもにとっても社会への順応がスムーズである。

片山先生の言葉「訓練が一番ではない」。児者の変化に合わせて我々も変化しないといけない。訓練=リハビリテーション(以前の状態にする)であるが、昔の自分に戻ることはできない。「ハビリテーション(新しい自分を創る)」となるべきである。






障がいを持つ我が子に対して、親としてできることを必死でやってきた自分を振り返り、ふと、子どもの成長という視点で見つめ直してみた時に、その時々に応じて必要なこと、これからの将来を見据えて今から取り組むべきことは何か…を考えさせていただく良いきっかけとなりました。とても為になる講演でした✨

2日間、大変充実した有意義な研修会でした!